あなたは、映画の最後に流れるエンドロールを最後まで見る派ですか?見ない派ですか?
エンドロールと言えば、映画。というイメージが強いですが、実は映画だけでなくドラマやアニメ、バレエティー番組、そして歌のPVでもエンドロールは流れます。最近では、YouTube動画でも見ることができますね。
結婚式でも見たことあります!
様々な作品で「エンドロール」を見ることができますが、「エンドロール」は他にもたくさんの呼び名があることをご存じでしょうか。
「エンドロール」「エンドクレジット」「クレジット」「クレジットタイトル」「エンディングロール」などたくさんの類義語があります。
これだけでも驚きですが、今回は言葉「エンドロール」についてご紹介していきます。「エンドロールとは?意味は?」「エンドロールとエンドクレジットの違いは?」について解説します。
「エンドロール」とは?その意味は?
映画が好きな人は一度は聞いたことのある言葉「エンドロール」。そもそもエンドロールとはどのような意味なのでしょうか。
エンドロールの意味
エンドロールとは、複数の人が関わる視覚(映像)作品の中で、作品の製作・制作に関わった人物の名前、場所、企業(メーカーなど)が一覧で表示される字幕。また、その映像のことを示します。
映画で見る一般的なエンドロールは本編最後に流れます。下から上へ字幕が流れていきますよね。
エンドロールには字幕版と映像版がある
テレビドラマでは、映画に比べ情報量が少ないため、テロップ式の動かない字幕映像の場合があります。
しかし映画では、関わる団体や企業が多く、テロップが長大化しやすいため、文字の情報が下から上へ、あるいは右から左へ流れていく映像形式の方が多く一般的です。また、ショート映画などでは顔写真付きのエンドロールが流れることもあります。
日本特有の縦書きエンドロール
日本では縦書き表記のエンドロールもあります。その場合は左から右に消えていく(フェイドアウトしていく)エンドロールになります。
言語を縦書きで読むのは日本人特有です。面白いですね。
エンドロールの長大化に関して、最近では、衣装協力をしたブランド企業の紹介も追加され、よりエンドロールが長大化しています。
エンドロールは広告枠になりつつある!?
作品の中で「あれほしい!」ってなったことが何回かあるなぁ...
映画やテレビドラマで俳優が着用している服やアクセサリー、小物が気になったことがある方もいるのではないでしょうか。
作中の俳優が着ている服やアクセサリー、小物が話題になり、その日のうちに売り切れなんてことも。
俳優がブランドの服やアクセサリー、小物を着用することは、そのブランドの宣伝につながるということです。
また、衣装だけでなく食べ物にも注目が集まっています。レストランやカフェなども作中で使用されることで大きな注目を浴びることも少なくありません。
映画・ドラマ撮影地(ロケ地)の「聖地巡礼」という言葉も生まれていますね。
「作中で紹介される」ことは大きな宣伝効果になり、マーケティングにも使用されているということですね。
エンドロールは必ずしも作品の最後で表示されるものではない
エンドロールの「エンド」は最後を意味しますので作品の最後に表示される映像のことを示しますが、以前は作品の前に表示されることもありました。また、作品本編の最初と最後のどちらにも表示される場合もあります。
1990年代のテレビドラマでは、(エンド)ロールが作品の最初(オープニング)で流れることも多くありました。
「エンド」は最後の意。では、「ロール」は?
「エンドロール」は日本だけ!その由来は巻物(ロール)にある!
日本で「エンドロール」という言葉は一般的に使用されています。「ロール」とは巻物のこと。
以前は、作品の出演者の名前を実際に巻物に書いていました。それを左から右へ、あるいは右から左へ読んでいく様を撮影して作品中で流していたそう。
これが日本で「クレジット」や「エンドクレジット」が(エンド)ロールと呼ばれるようになった理由です。
「クレジット」や「エンドクレジット」「クレジットタイトル」という言葉を聞いたことはありますか?
英語圏では、「エンドロール」は「クレジット」や「エンドクレジット」と呼ばれるのが一般的です。反対に日本で使用されている「エンドロール」という言葉は英語圏では使用されません。
作品における「ロール」の種類
日本では、作品の共演者や協力団体、場所、企業などの情報を一覧で表示することを「エンドロール」と言いますが、これに関連する語で、「ロール」が使用された言葉は複数あります。
エンドロールは「エンディングロール」と言われることもあるよ。
ロール名 | 意味と解説 |
---|---|
ロール | 作品に関わった人物や団体、場所、企業などの文字情報。視聴者向けに紹介される。最後に表示されることが多く、この意味の語において日本で最も使用されている言葉は「エンドロール」である。 「エンドロール」と「オープニングロール」がある。作品では、本編の前か後、あるいは両方にこの「ロール」が表示される。 |
オープニングロール | 作品の最初に流れる「ロール」のこと。しかし、日本では使用されていない。語としては、一般的に「エンドロール」が使用される。※オープンロールについての情報はなし。 |
エンドロール | 作品の最後に流れる「ロール」のこと。日本において「ロール」は最後に表示されるイメージがあり、この意味の語において日本で最も使用されている言葉。※オープンロールについての情報はなし。 |
エンディングロール | エンドロールの同義語。 |
スタッフロール | 作品の製作、あるいは制作に関わった責任者の個人名の文字情報 |
キャストロール | 作品の演者(役者・俳優)の文字情報 |
日本では一般的に(エンド)ロールと言われていますが、英語圏では主に「クレジット」という言葉で表現されています。
以下で「エンドクレジット」「クレジット」「クレジットタイトル」についてご紹介します。
(エンド)クレジットとは?その意味は?
日本では「エンドロール」という言葉が一般的ですが、英語圏では「クレジット」「エンドクレジット」「クレジットタイトル」と言われるのが一般的です。ここでは、「クレジット」について解説します。
クレジット(credit)は「信用」「信頼」という意味
クレジットの意味
映画やテレビドラマにおける「クレジット」とは、「作品中の役の責任者を明確にする」という意味があります。つまり、エンドロール中の出演者の名前の紹介部分を「クレジット」と言います。
ポイントは責任者の「名前」です。
英語表記のクレジット(credit)には、「信用」「信頼」という意味があります。作品の信用性を視聴者に示す為に作品本編の前後に役の担当者の名前を表記しているのです。
クレジット(credit)は、(信用から生じた)「名声」「名誉」「称賛」という意味
クレジット(credit)には、(信用から生じた)「名声」「名誉」「称賛」の意味もあります。オペラやバレエ、ミュージカルや演劇で最後に出演者が行うカーテンコールのような役目も担っています。
クレジットで表示される役者の名前の順番には意味があり、クレジットで表示される順番で俳優の格が分かります。クレジットでの名簿の順番は各演者の名誉にも関わっているのです。
※カーテンコールとは:ミュージカルや演劇、バレエにおいて終幕が下りた後に舞台上に演者が集まり観客に挨拶をすること。カーテンコールでの観客の拍手やスタンディングオーベーションなどによって舞台の評価が演者側に伝わる。
以降では、クレジットの順番についても解説しています。
-
【俳優の格について】役者の格とは?格上の俳優は誰?
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エンドロールとエンドクレジットの違いは?
エンドロールに「(エンド)クレジット」が含まれる!
エンドロールとエンドクレジットは違う意味?違いを解説
日本で一般的に使用されている「エンドロール」と英語圏で使用されている「エンドクレジット」は一見、同じ意味の言葉に感じますが、実は少し違います。
上記で解説した通り、作品における「クレジット」には、「信用」のために役を演じた役者の名前を明記するという意味があります。
つまり、ポイントは「出演者の名前」です。
エンドロールには、スタッフロール、キャストロールの他に、作品の制作に協力した団体や企業も含まれます。また、映画であれば作品の上演時間の最後の約10分の部分をエンドロール(業界用語)と言います。
それに対して「クレジット」は作品に登場した役者の名簿のみを示します。
つまり!
エンドロールにエンドクレジットが含まれるということです。
クレジットはいわば、エンドロールの中のキャストロールということだね!
- エンドロール>エンドクレジット
- クレジット=キャストロール
エンドロールは英語圏でエンドクレジットやクレジットと呼ばれる
エンドロールはエンドクレジットとは違う意味とお話ししましたが、一般的な使い方は同じことが多いようです。現に、エンドロールは英語圏で「エンドクレジット(end credit)」や「クレジット(credit)」と呼ばれています。
調べてみると「クレジットタイトル」という言葉も出てきますが、英語圏ではあまり使われていないようです。しかし、全くないわけではなく、一部で使用されている例もありました。
日本でも「エンドロール」の他に、「クレジット」「エンドクレジット」「クレジットタイトル」という言葉を聞いたことがある方もいるかと思います。
英語圏でも、決まりきった言葉があるわけではなく、様々な呼ばれ方をしています。複数の呼び方があり、次第にそれぞれ混同していったようです。
英語圏でのエンドロールの言い方
エンドロールの名前 | 意味と解説 |
---|---|
クレジット (credits) | 「エンドクレジット」や「クロージングクレジット」「オープニングクレジット」の略称。 |
エンドクレジット (End credits) | 英語圏で多く使用されている言い方。「クロージングクレジット(Closing credits)」に同じ。正式な語として認知されている。 |
オープニングクレジット (Opening credits) | クロージングクレジット(Closing credits)と一緒に使用される場合が多い。作品の最初に表示されるクレジット(credits)。英語圏では主要なキャストが最初に表示される傾向がある。 |
クロージングクレジット (Closing credits) | 英語圏で多く使用されている言い方。エンドクレジット(End credits)に同じ。正式な語として認知されている。 |
オープニングタイトル (Closing credits) | オープニングクレジット(Opening credits)に同じ。 |
エンドタイトル (End titles) | 英語圏の映画作品では、最後に「The END」と表記される場合が多く、これがエンドクレジットの直前に流れることからエンドタイトルとも呼ばれている。 |
エンディングクレジット (Ending credits) | エンドクレジットの「エンド」が「エンディング」に変わって使用されている。 |
ムービークレジット (Movie credits) | 映画のエンドクレジットはムービークレジットとも呼ばれている。 |
クレジットタイトル (Credits title) | オープニングクレジット(Opening credits)やクロージングクレジット(Closing credits)と同義語、類義語。 |
ポストクレジットシーン (Post credit scene) | エンドクレジット終了後に流れるおまけ映像のこと。※ポストクレジットシーンの解説を見る |
ミッドクレジットシーン (mid credits scene) | エンドクレジットの途中でクレジットが中断され、流される映像(シーン)。エピローグやユーモアのある登場人物シーン、明かされなかった事実や映画続編を示唆するようなシーンなどポストクレジットシーンと同様の目的がある。 |
英語圏では「credits」とあるように複数形で表記されることが多いです。
本当は「クレジッツ」ということだね。
英語圏で一般的に正式な言葉として使用されているのは「クロージングクレジット」と「エンドクレジット」です。
日本では「エンドロール」と言われているように、最後にキャストやスタッフが紹介されることが多いです。「オープニングロール」はあまり使用されません。
しかし、外国の作品では、「エンド」が入っている言葉が一般的に使用されているものの、「オープニングクレジット」や「オープニングタイトル」など作品の最初で表示される場合も一般的で日本に比べ「オープニングクレジット」の使用頻度が高いです。
英語圏の「エンドクレジット」とは?その歴史について
英語圏において、作品の最初に現れるのがオープニングクレジット(Opening credits)、最後に現れるのがクロージングクレジット(Closing credits)と定義されています。
英語圏での作品とは、映画やテレビドラマだけでなく、ビデオゲームも含まれます。
このオープニングクレジット(Opening credits)やクロージングクレジット(Closing credits)の語が変化し混同されていき、今ではエンドクレジット(End credits)やエンドタイトル(End titles)も使用される頻度が高くなりました。
通常、エンドクレジットは、黒の背景に白の文字で表示されます。また、文字は下から上へスクロールしていきます。主に映画作品では、映画に登場したキャラクターが文字とともに一緒に現れたり、キャストの撮影の様子、NGシーンなどを一緒に流す作品もあります。
おまけ映像についての解説は以降でお話します。
日本では、役を演じた人を演者や役者、俳優と表し、作品の制作に関わった人をスタッフと呼びます。一方で英語圏では、前者をキャスト(cast)、後者をクルー(crew)と表現します。英語表記のcrew(クルー)には、「仲間」という意味があります。
英語圏の「エンドクレジット」の歴史
アメリカンフィルム(American Film Institute、AFI)は1967年に設立されたアメリカの映画団体です。
映画配給団体のAFIにおいて、1967年から1970年代初期までは映画の作品の最後(エンドクレジット)にキャストやクルーの名前が表示されることは滅多にありませんでした。
映画の最後ではなく、映画の最初にオープニングクレジットが表示されることが一般的で、それも主要なキャスト(俳優)の名前だけ紹介されていました。
そして徐々に主要なキャスト(俳優)以外のキャストやクルーの名前が映画の最後に表示されるようになっていったのです。
このころは、最後にクレジットが表示されることも少なく、「エンドクレジット」という言葉自体がなかったのかもしれませんね。
しかし、全くなかったわけではなく「エンドクレジット」を使用している映画作品もありました。代表的な作品は以下の二つです。
Around the World in 80 Days(1956)
映画作品「Around the World in 80 Days 」は、エンドクレジットを入れた最初の映画作品です。
この作品では、当時一般的だった「オープニングクレジット」を一切使わずに「エンドクレジット」のみを入れた最初の作品です。
West Side Story (1961)
映画作品「West Side Story 」は、最初にタイトルのみを表示し、キャスト(cast)やクルー(crew)の名前は一切入れず、本編最後のエンドクレジットにキャストとクルーの名前を表記しました。
このように、昔は「エンドクレジット」ではなく「オープニングクレジット」が一般的でした。それが次第に、映画作品の本編最後に表示する形式に変わっていったのです。
昔は主要なキャスト(演者)が本編の最初に紹介されるだけっていうのも面白いね。
最初に名前が表示されるかどうかで、有名な俳優かそうでないかを見極められたということですね。
※アメリカン・フィルム・インスティチュート(American Film Institute、AFI):AFI(アメリカン・フィルム・インスティチュート)は映画監督(制作・製作者)の育成、映画の保存など映像作品においてあらゆる活動を行っている団体です。民間の資金、および、一般会員の会費で運営されています。
エンドロール(エンドクレジット)は海外(英語圏)の人に見てもらえない!?
映画館で本編終了後に流れるエンドロール。あなたは見る派ですか?見ない派ですか?
映画作品では、テレビドラマなどのテレビ映像作品に比べてひとつの作品に関わる人数が多くエンドロールも長大化します。反対に、バラエティ番組のエンドロールなどは見ないと言うよりも流れていることすら気にしない人も多いのではないでしょうか。
日本では、映画館が明るくなるまで席に座っている方も多いですよね。
映画のエンドロールは一般的に10分程度流れています。日本ではエンドロールを最後まで視聴する方が多いですが、英語圏では、本編が終わると同時にほとんど全員が立ち上がります。
「よーいドン!」のピストル音がなったのか?と思うぐらい全員が一斉に立ち上がるそうですよ!
反対に本編が終わっても座っている方が不自然。「なんで座っているの?作品関係者に知り合いでもいるの?」という感じだそうです。
エンドロール(エンドクレジット)では、映画の出演者や、製作・制作に関わった責任者、スタッフの名前、協力団体や企業など映画の関係者がずらっと紹介されています。
契約で表示しなければならないということもあるため、文字がただ流れるだけの映像(エンドロール)をいかに見てもらうかについて配慮することも忘れてはいけません。
各映画制作者はエンドロール(エンドクレジット)を見てもらうための様々な工夫をしています。
以下でその工夫(おまけ映像)についてご紹介します。
エンドロール(エンドクレジット)を見ない人が増加!対策は「おまけ映像」!
海外(英語圏)では、エンドロールを見ないで本編が終わるとすぐに立ち上がり出口に向かう人が多いため、エンドロールを見てもらうための仕掛けがされています。
以下ではエンドロール(エンドクレジット)を見てもらうための工夫についてご紹介していきます。
【映画】エンドロール(エンドクレジット)のおまけ映像(ポストクレジットシーン)
エンドロールの最後におまけ映像が流れることがあるのを知っていますか?「実はこんな続きがあった」「こんな真実が隠されていた」「次回作あり!?」などおまけの映像を見ることで本編にはなかったストーリーの展開を知ることができます。
【映画】エンドロール(エンドクレジット)の後に流れるおまけ映像のことを「ポストクレジットシーン」と言います。
ポストクレジットシーンをエンドロールの後に入れることでその映像を期待してエンドロールを最後まで見てくれる人が増えます。
またシリーズものの映画であれば、毎回ポストクレジットシーンを入れることで、「この映画はおまけ映像があるから最後まで見よう」と思ってくれます。
アメリカンコミックの映画では、この手法で映画を最後まで見てくれる人が増えたんだとか。
ポストクレジットシーン(おまけ映像)の歴史と目的
ポストクレジットシーンの歴史は1079年から始まります。1079年に上映された映画「マペットの夢見るハリウッド」において初めてポストクレジットシーンが挿入されました。これ以降、1980年代になるとたくさんの映画でポストクレジットシーンが入りました。
当時「ポストクレジットシーン」はコメディ映画で使用され、映画の登場人物やキャラクターが観客に「映画が終わったこと」を教えるような演出がされました。このような第四の壁を壊し観客に語り掛ける演出は観客を映画館から退席するように促す目的があったとされています。
※第四の壁とは:舞台や映像作品などの視覚的作品と客席を分ける一線のこと。フィクションの非現実の世界と現実を隔てる見えない壁のこと。
また、映画の続編を示唆するためにもポストクレジットシーンが使用されていたり、映画の本編では語れないようなユーモアを含んだシーンなどもポストクレジットシーンがあることでその枠で表現することができました。
このようにポストクレジットシーンは様々な目的で使用されています。
ポストクレジットシーンの目的
- エンドロール(エンドクレジット)を観客に見てもらうため
- 映画が終わったことを観客に伝えるため
- 映画の続編があることを観客に伝えるため
- 本編では詳しく表現できなかった敵や脇役のその後やストーリーの伏線を回収をするため
- シリーズ作品の各登場人物やキャラクターの世界線(各作品の世界)が繋がっていることを示すため
- 「映画館にいるという体験を終わらせたくない」などの監督のメッセージを伝えるため
- ノンフィクション映画など契約上モデルとなった人物の映像を入れるため
本編のシリアスなシーンには不釣り合いなコメディーを含んだシーンを入れたり、監督の映画に込めたメッセージなど本編だけでは語れないストーリーや思いを表現するための場としてポストクレジットシーンが使われています。
ポストクレジットシーンを見るのと見ないのとでは映画の印象や見終わった後の満足感も変わってきますね。
ポストクレジットシーン(おまけ映像)の工夫とその種類
エンドロール(エンドクレジット)を見てもらうための工夫をご紹介します。ユニークなユーモアあふれる工夫がたくさんあるのでぜひ探してみてくださいね。
エンドロールの文字で遊ぶキャラクター
エンドロール(エンドクレジット)が終わった後に映像(ポストクレジットシーン)を入れることでエンドロールを見てもらう工夫をご紹介しましたが、ここからはエンドロール(エンドクレジット)が流れている最中の工夫についてご紹介します。
字幕がただ流れるだけの映像を飽きずに楽しく見せるために、エンドロールの文字にぶら下がったり、挟まってみたりと映画の中に登場したキャラクターたち流れてくる文字で遊んでいるような演出を見ることができるエンドロール(エンドクレジット)があります。
映画の登場人物やキャラクターが本編が終わっても見ることができるのはとても面白いですね。
NG集
エンドロール(エンドクレジット)が流れる画面でNG集を流す形式もあります。敵役の俳優とヒーローや主人公役の俳優がNGシーンで笑っているのを見るとなんだかほっこりしますよね。
また、アニメーション映画でも、NGシーンを流している映画もあり、話題になりました。
アニメには本来NGはないはずですもんね。ユーモアがあってとても面白いですね!
撮影風景
NGシーンと同様、撮影の合間の共演者同士の会話などを切り抜いてエンドロール(エンドクレジット)で流すケースもあります。
また、撮影はしていてもそのすべてが本編に入るわけではありません。完成版では使用されなかった映像(アウトテイク)をエンドロール(エンドクレジット)で流すこともあるんだとか。
エンドロール(エンドクレジット)とエンディングとの違い
エンドロールの他にも「エンディング」という言葉もよく聞きます。エンドロールとエンディングにはどんな違いがあるのでしょうか。
エンディングの意味は?
エンディングとは、終わりのこと。「終わりの部分」「結末」を表し、映画やドラマだけでなく、バラエティー番組など視覚的な映像全般に使用することができるほか、音楽でも歌や、曲の最後の部分をエンディングということができます。
バラエティ番組やラジオ番組なんかでも「それではエンディングにまいります」「エンディングです」と言うように使用されているのを聞いたことがあるよ。
エンディングは、終わりの部分のことを示すため、エンドロールも広く定義すればエンディングということができます。
また、エンディングの対義語はオープニングです。作品の最初をオープニング、最後をエンディングと言います。「エンディング」という言葉はエンドロールやエンドクレジットと比べてより広い意味をもっていると言えるでしょう。
エンドロール(エンドクレジット)で流れる俳優の順番には意味がある
エンドロール(エンドクレジット)に表示されるキャスト(役者)の順番に意味があることをご存じですか?
エンドロール(エンドクレジット)では、出演した俳優の名前を見る方が多いかと思います。また、見たことがある場所、行ったことがある場所が撮影現場として使われている場合は、協力団体などを見て最後に確認する方もいるかもしれません。
アニメ何かであれば声優の名前を確認する時もあるよね!
「え!この人が声やってたんだ!」って驚くこともしばしば。
エンドロールで表示される俳優の名前の順番やエンドロールの流れ方で「この人は大御所枠か!」と、出演俳優の格もだいたいわかるようになります。
主演と脇役の違いは分かるけどそれ以外は気にしたことがなかったな...
【映画】エンドロールに共通していること
視覚的作品において共通しているエンドロールの型をご紹介します。
映画だけでなくテレビドラマ作品でも言えることですが、映画のエンドロールは主に2種類の枠で構成されています。
ひとつが「キャストロール」もう一つが「スタッフロール」です。
そして、エンドロールでは「キャストロール」が終わった後に「スタッフロール」が流れます。
キャストロールとは?
映画に出演した俳優陣の名簿のこと。俳優の名前が一覧で下から上へ流れながら表示される。
スタッフロールとは?
映画の制作・制作関係者の名前が表示される。
「キャストロール」では決まりきった共通の型が存在します。以下「キャストロール」における共通している型についてご紹介します。
映画のキャストロールの共通事項
キャストロールで重要な位置は、「最初」と「最後」です。
最初はもちろん主演の俳優の名前が表示されます。一方で、映画の一番最後(トメ)には大御所俳優、格が高い俳優の名前が表示されます。
主演ではないが主演級の役者に脇役を演じてもらうためには、エンドロールで最後(トメ)に名前を表示するという大御所俳優への配慮が必要になってくるわけです。
映画のキャストロールの最後の位置はトメとも呼ばれています。
すべての映画で共通しているエンドロールでの表示順番は以下の通りです。
すべての映画作品で共通していること
- キャストロールの後にスタッフロールが表示される。
- 主演がエンドロールの始めに表示される。
- 主演ではないが最も大御所の俳優が一番最後に表示される。
- その他の脇役は真ん中に表示される。
- キャストロールとスタッフロールが終わった後一番最後に監督の名前が表示される。
主に、エンドロール(エンドクレジット)では、主演→準主演→脇役→○○出演→大御所の順番で出演者の名前が表示されます。
※○○出演→「特別出演」「友情出演」「エキストラ出演」「カメオ出演」
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映画のオープニングや見終わった時のエンドロールで「特別出演」や「友情出演」をよく見かけます。 アニメの声優さんの中でも時々見かけますよね。 特に特別出演に関しては、有名な俳優さん、大物俳優さんが多いで ...
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映画のスタッフロールの順番は共通していない
映画のスタッフロールは映画の会社などによっても表示順番が違うようです。しかし、名前や団体名などが記載される前に、「脚本」や「音楽」など制作のどの部分に関わったかが明記されているのでとても分かりやすくなっています。
主に、以下の種類があります。が、これ以上に多いこともあり映画会社や映画によっても順番が違ってきます。
順番 | 項目 |
---|---|
1 | プロデューサー |
2 | ※原作 ※原作:キャストロールに配置されることもあります。 |
3 | 脚本 |
4 | 音楽 |
5 | 撮影 |
6 | 照明 |
7 | 美術 |
8 | 編集 |
9 | 助監督 |
10 | 製作委員会 |
11 | 主題歌・挿入歌 |
12 | 配給 |
13 | 製作プロダクション |
14 | ★監督★ |
監督はエンドロールの一番最後に表示されます。
出演俳優の構成によってエンドロールの順番を工夫する必要がある!
映画作品に出演している俳優は新人ばかりの映画もあれば、大御所ばかりが出演している映画もあります。従って、その時々でエンドロール(クレジット)の名簿の順番は工夫していかなければなりません。
例えば!映画の出演者の構成が、
- 主演の俳優
- 大御所俳優1人
- その他の脇役
※主演以外は全員脇役です。主演には、ダブル主演などもあります。
上記の場合は、エンドロールの順番はとても簡単です。
エンドロールでの表示順番は、以下のようになります。
- 主演
- その他の脇役
- 大御所俳優
では!主演の俳優、大御所が6人、その他脇役の場合はエンロールはどうなるのでしょう。
大御所が多すぎてどこに配置すればよいか分からない...
格の高い俳優が複数いる場合は、そのすべての方の名前をトメに表示することは不可能です。
そんなときの為に最後(トメ)に表示出来ない代わりに「特別出演」としてトメの前に名前を表示するという工夫がされることもあります。
上記では例を出しましたが、実際は「主演」「脇役」「大御所俳優」の枠にとどまらず、「準主演」「特別出演」「友情出演」「エキストラ出演」「カメオ出演」などたくさんの呼び名があります。
大御所俳優・格の高い俳優がたくさん出演している作品では、エンドロールでの表示順番を工夫しなければなりません。
特別出演や友情出演に関して、その他の出演方法については以下の記事でご紹介していますので気になる方はお立ち寄りください!
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仮に、トメのほかに「特別出演」という枠があるからと言って、大御所俳優が6人もいたらどうにもならないよね...
大御所俳優が複数出演している映画では、たくさんの工夫をして名前を目立たせる工夫がされています。
以降でご紹介しますので是非チェックして下さい。
ドラマや映画が好きな方はこれを知っておくとエンドロールがより楽しくなりますよ!
【映画】キャストロールの順番にはどんな工夫があるの?
エンドロールのキャストロールでは、主演が最初に表示され、トメで大御所である格の高い俳優が表示されます。
では、大御所の役者が複数出演している場合はどのようにキャストロールで表示され、どんな工夫がされているのでしょうか。
最初の枠、中間の枠、トメの枠をそれぞれ分ける。
最初は主演、準主演の数名が表示されます。そして本来、中間では脇役や端役を表示するのですが、その脇役や端役の人々をエンドロール内で分けて紹介し、その間で格の高い俳優を紹介する方法があります。
エンドロール(例①)
- 主演・準主演
- 通常の脇役・端役
- 大御所俳優(脇役・端役)
- 通常の脇役・端役
- 大御所俳優(脇役・端役)
- トメの大御所俳優
あえて通常の脇役・端役を分けることで、大御所の枠を作っています。
出演シーンの構成などによって、表示される位置が異なります。例えば②の俳優は③の俳優よりも出演シーンが多い場合などがあります。
区切りを視覚的に挿入する。(線で区切る・脇役で区切る)
ある映画では、中間の枠を分かりやすくするためにあえて原作著者や脇役の名前を最初に持ってきたり(※本来はキャストロールではなくスタッフロールに配置)、枠の区切り線を入れていたりしています。
エンドロール(例②)
- 主演・準主演
- 著者・協力団体 ※ここに著者や協力団体が表示されることもあります。
- 通常の脇役・端役
- ーーーーーー(線の挿入)ーーーーーー
- 大御所俳優(脇役・端役)
- ーーーーーー(線の挿入)ーーーーーー
- 通常の脇役・端役
- 大御所俳優(脇役・端役)
- トメの大御所俳優
キャストロールの中の真ん中に表示されています。本来であれば脇役の枠ですが、「線で区切る」「通常の脇役・端役」で挟むことで大御所の枠を作っています。
大御所俳優が紹介される前後に区切りの線や原作の著者、脇役を挿入することでキャストロール内で大御所俳優を目立たせる演出がされています。
紹介される際の名前の間隔が変わる
名前の間隔が広いほど格のある俳優・大御所俳優です!
エンドロールでは出演者の名前が下から上へ次々に流れていくわけですが、その名前の間隔がその俳優の格の高さの判断基準になります。
主演・準主演・トメ
主演・準主演・トメの大御所は画面に1名だけ名前が表示されるように名前同士の間隔がとても広くなっています。
脇役・端役の大御所俳優
脇役で出演している大御所俳優の場合は、名前が表示されるときに名前と名前の間隔が広く開けられ、最高でも二人までしか同時に表示されないよう工夫されています。
脇役・端役
反対に脇役や端役などは基本2列で表示されたり、間隔を開けずに1列で名前が表示されたりします。3人〜4人の少数単位で表示される俳優は有名な方が多いです。
大御所俳優だけでなく、映画の主要人物や出演シーンの多い俳優も名前と名前の間隔が広く開けられている場合があります。
「エンドロール」と「エンドクレジット」の違いまとめ
今回は「エンドロールとクレジットロールの違い」その意味や順番について解説しました。
エンドロールとクレジットロールの意味と違い
- エンドロール:本編の最後に流れる10分間の映像のこと。日本で言う、キャストロール(出演者)とスタッフロール(制作の責任者)の他に、映画の制作に関わった協力企業、団体、ロケ地などの組織も紹介される。
- エンドクレジット:日本では、キャストロールの部分。「クレジット」には「信頼」の意味があり、制作に関わる人物の名前を視聴者に伝える目的がある。
エンドロールは、映画の最後の映像全体を示し、エンドクレジットはエンドロール内の出演者の名前の紹介の部分を示します。
※英語圏ではエンドクレジット=エンドロールであり、「エンドロール」という言葉は存在しない。
エンドロールの順番
一般的に、
- 主演
- 準主演
- 脇役
- トメの大御所俳優
- 制作者・団体名
の順番で紹介されます。
しかし!脇役・端役の大御所(格の高い)俳優が複数いる場合は様々な工夫がされます。
エンドロールの名簿の工夫
- 最初の枠、中間の枠、トメの枠をつくる。
- 区切りを視覚的に挿入する。(線で区切る・脇役で区切る)
- 名前の間隔を広くする。
エンドロールの順番を知るだけで映画での俳優の立ち位置が分かりまた違った映画の見方ができますね。エンドロールをあまり見ないという方はこれを気にエンドロールを是非見てみてくださいね。